札幌競馬場がグランドオープンして最初の重賞となったG3エルムS(27日=ダ1700メートル)は、古豪ローマンレジェンド(牡6・藤原英)が2着クリノスターオーとのマッチレースを制した。右トモ骨折から約7か月の時を経て見事に復活したその要因とは――。
2012年の東京大賞典快勝後は、勝ち星に見放されていたローマンレジェンド。スランプの原因は何だったのか?
「休む前にレースを使っていた時は疲れがあったし、馬の気持ちに反して使っていたところもあった。どうも、気持ちが逃げるほうへ向いていた」と藤原英調教師はメンタル面での不調を不振の原因と分析した。
しかし、原因がわかったところで手の施しようがないのが繊細なサラブレッド。ところが、スランプをリセットする“出来事”が昨年の暮れに転がり込む。
「大井での東京大賞典(6着)で骨折した。程度こそ軽かったけど、そこで思い切って休ませたことが良かったと思うよ」
骨折は不運だったが、これを機にじっくりと充電して、ローマンは完全にリフレッシュ成功。栗東トレセンに帰厩後はビシビシと追われ、心身ともに立ち直った。
2年前のエルムSではエスポワールシチーとの激しい叩き合いの末、クビ差の勝利。直線はその攻防をほうふつさせる激しいものとなった。これで完全に“目覚めた”のだろう。しぶとく食い下がるクリノスターオーをアタマ差で競り落とし、完全復活をアピールした。
「心身ともにいいほうに向いてくれたのが今日の結果につながったね。グランドオープンの札幌でオーナーのためにも何とか勝たせたいと思っていたので、乗り役にも“ミスは許されないぞ”とプレッシャーをかけておいた。勝ててうれしいね。それにしても一度気持ちが(悪いほうに)いった馬を復活させるのは大変だよ」と藤原英調教師もホッとした表情だ。
手綱を任された岩田は「使いだしをこのレースに定め、厩舎一丸となって仕上げてくれた。稽古で乗った時から復活の手応えは感じていた。精神的に落ち着いていてゲートでも静かだった。このアタマ差は大きいね」。大役を果たした名手は、やっと肩の荷を下ろした。
実力馬の完全復活となれば、次は「何とか中央のGIを勝たせたい」(同師)というのが陣営の総意。一旦放牧に出た後は、暮れの中京で行われる新設GI・チャンピオンズカップ(12月7日=ダ1800メートル)を目標に調整される。辛酸をなめ尽くしたローマンにこれ以上の回り道は必要ない。この日のコンディションで出走できれば結果はおのずとついてくるはずだ。
第19回エルムステークス: Fast Tube by Casper 一着 8 ローマンレジェンド 二着 10 クリノスターオー 三着 12 […] http://t.co/6XuoPNvou3
— 葛西昭辰 (@amazingst)2014年7月28日 4:29:54
ローマンレジェンドが勝つ 競馬のエルムステークス。・・だそうだ!
— 競馬大好き King 亀山 (@zejidi09365)2014年7月28日 4:07:01