新潟サマーシリーズ開幕を告げる1000メートル直線重賞「第15回アイビスサマーダッシュ」の追い切りが29日、美浦、栗東トレセンで行われた。美浦のフレイムヘイローが出色の伸び脚を披露した。手綱を取るのはベテラン西田雄一郎(40)。8番人気ケイティラブで大波乱を起こした10年の同レース以来5年ぶりのJRA重賞獲りへ手応えを膨らませた。
“千直男”の異名を取るベテランの手のひらに残った確かな感触。1000メートル直線競馬の現役通算騎乗数3位(160回騎乗)、同単勝回収率2位(152%)にランクされる西田が迷うことなく言い放った。「フレイムヘイローは千直向き。自分も好きなコース。1年に1度の重賞だから狙っていきたい」。その傍らでは蛯名師が追い切りを満足そうに振り返る。「気合が乗ってきた。この暑さでも春と遜色ない状態だ」
まさに夏バテ無縁の強じんなストライド。温度計の針が30度に近づく午前7時、坂路コースで猛然と加速していく。3馬身先行したダイヤモンドハート(3歳未勝利)にラスト100メートルで並び掛け、並ぶ間もなく2馬身突き放した。今月半ばのウッドチップ入れ替えで時計のかかるコンディションをものともせず、4F54秒1の好時計だ。
今春のオープン、韋駄天Sではネロを半馬身かわして15番人気で大金星。連続2桁着順から初の千直で激変した。前走・CBC賞では道悪馬場にのめって11着に失速したとはいえ、アイビスサマーダッシュを意識したレース運びをしている。西田は「次(アイビスサマーダッシュ)に楽に行けるよう最初から前に出していった。千直はスタートが肝心。韋駄天Sも時計のかかる馬場にしては悪くない時計(54秒7)だったし、期待を持って臨める」と続けた。
CBC賞は狙い定めた千直重賞のために放ったベテランの布石である。「今度は新潟開幕週の(高速)馬場だから前残りになりやすい。積極的に負かしにいくと、こちらがバテちゃうので何かに捉えてもらって、その隙を突きたい」。西田の千直通算12勝のうち9勝が4番人気以下。伏兵の出し抜けで金星を重ねてきた。千直に懸ける夏バテ無縁の人馬が波乱劇の主役だ。
昨年のアイビスサマーダッシュ動画
1着 セイコーライコウ 柴田善臣
2着 フクノドリーム 横山典弘
3着 アースソニック 岩田康誠
過去10年で7回牝馬が勝利している
2009年のアイビスサマーダッシュ
1着 カノヤザクラ 小牧太
2着 アポロドルチェ 勝浦正樹
3着 アルティマトゥーレ 松岡正海
2004年はカルストンライトオはアイビスサマーダッシュを勝利して
スプリンターズSも勝利する
1着 カルストンライトオ 大西直宏
2着 タカオルビー 吉田豊
3着 ネイティヴハート 石崎隆之
その後、スプリンターズを勝利する
2004年 スプリンターズ
1着 カルストンライトオ 大西直宏
2着 デュランダル 池添謙一
3着 ケーブオブグットホープ プレブル