皐月賞を動画とともに振りかえっています

 “東の大物候補”サトノクラウンが3冠の第1関門、皐月賞に挑む。無傷の3連勝で報知杯弥生賞を制したアグネスタキオン(01年)、ディープインパクト(05年)は、そのまま1冠目を制覇。新馬からサトノクラウンの3戦すべてを取材している西山智昭記者が、騎手や関係者の証言を振り返り、タキオン、ディープに続く逸材なのか、コラム“見た”で迫った。

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 パフォーマンスより、コメントが強く印象に残った。昨年10月25日の新馬戦。2番人気のサトノクラウンは好位から快勝したが1分50秒0の時計は平凡で、上がり3ハロン33秒5も2位。特別すごい走りとは思えず、淡々と業務をこなすため、競馬場の取材スペースへ向かったのだが…。遭遇したのは、明らかに上気した表情の福永だった。

 「今のところ言うことがない。乗りやすく、スタートも速かったし、かかる馬でもない。非常に将来性が豊か。このまま順調に行ってほしい」

 13年に全国リーディングに輝いたトップ騎手のリップサービスとは思えない興奮した語り口に、サトノクラウンという馬が深く脳裏に刻まれた。

 続く東京スポーツ杯2歳S。迷わず◎を打った。ゲート内で立ち上がり最内枠から出遅れ。直線で窮屈な位置に入る厳しい展開も、あっさり重賞を制覇。騎乗したのはイギリスのムーアだった。

 「ラストの伸びが抜群なのは新馬戦を見て分かっていた。本当にいい脚を使ってくれた」

 10年の英ダービー、凱旋門賞をワークフォースで制し、日本でもスノーフェアリーでエリザベス女王杯を連覇した名手は賛辞を惜しまなかった。同レースで3着馬(ソールインパクト)に騎乗した福永も「普通なら勝てるレースじゃなかった」と驚きを隠さなかった。この時点で確信した。来春の主役になる器だと。

 報知杯弥生賞も圧巻の内容で重賞連勝。福永は「相手が強くなってもやれると思っていた」と自信満々に振り返り、ノーザンファームの吉田勝己代表がポツリとつぶやいた一言も印象的だった。

 「この馬は化け物かも」

 数多くの超一流馬を手がけたトップブリーダーの言葉は重く、説得力にあふれていた。

 「一番初めに乗った時にいいなと思った。そういう馬は多いわけじゃない」と回顧した福永は今回、デビュー戦から手綱を執り続け、サトノクラウンとともに『G1を勝てる馬』と話すリアルスティールに騎乗する。強力なライバルだが、デビュー3連勝で報知杯弥生賞を制したアグネスタキオンとディープインパクトは皐月賞を制した。怪物と呼ばれた2頭と同じ道程を行くサトノクラウン。「1冠」に最も近い存在なのは間違いない。(西山 智昭)

 ◆サトノクラウン 父マルジュ、母ジョコンダ2(父ロッシーニ)。美浦・堀宣行厩舎所属の牡3歳。北海道安平町のノーザンファーム生産。通算3戦3勝。総収得賞金は9223万9000円。主な勝ち鞍は、15年報知杯弥生賞、14年東京スポーツ杯2歳S。馬主は里見治氏。

 
 ダイワメジャー(笑)
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